第4回 羊毛寝具のお手入れ

ファイングレードウールクラブとの共同キャンペーン第4弾は、羊毛寝具のお手入れについてお伝えします。

意外と簡単なウール寝具のお手入れ

ウール寝具は、天然製品であることから、お手入れが大変と思われがちですが、実はその吸放湿性能の高さから、意外と簡単です。また、綿や合成繊維からできた製品と異なり、汚れにくい構造をしているので、そもそもあまり汚れません。
今回は、ウール寝具の具体的なお手入れについて解説致します。

ウールのおふとん、毛布のお手入れ

基本的は、風に通すこと。
これにより、ウール寝具の持つ湿気を減らすことでお手入れします。
直接日光が当たると、温度が高くなりすぎたり、紫外線の影響でダメージを受けるので、日陰干しが理想です。また、湿度を取り去るのが目的ですから、多少風があった方が良いということになります。長時間である必要はなく、天候に寄りますが、カラリと晴れた日なら、通常30分から1時間もあれば、十分でしょう。
季節や個人差もありますが、通常、最低でも1週間に1回は風に通してください。


風に通すメリット

では、なぜウール寝具は風に通すといいのでしょうか。
それは、汚れや雑菌、さらにはニオイと湿度との関係にあります。風を通すことで、寝具にこもった湿気を蒸発させ、空気が乾くと大抵の雑菌類は、死滅してしまいます。
風を当てることで、清潔なおふとんになるのはこのためです。
紫外線を含む太陽の光にも殺菌効果がありますが、同時に天然の羊毛にもダメージを与えるので、「日陰干し」がベストな方法になります。

新しいおふとんを通信販売などで購入し、配達されたときに、ニオイがこもっていることがあります。これは、密閉された状態で保管された羊毛が、気温等の条件によっては、湿気を放散し、雑菌の繁殖を促してしまうために起こります。
返品するのは容易ですが、風に通すことで解消する場合もありますのでお試しください。

雑菌の繁殖が起こらないよう予めきれいに処理をしてある、ファイングレードウールの羊毛であれば、ニオイの心配はほとんどありませんから、安心です。 雑菌の繁殖は、長い間干すこと無く使用した場合にも発生して、嫌なニオイやカビのニオイに繋がります。こういった場合にも風に通すことで、ニオイも消えることが多いので、一度日陰干しをお試しください。

汚れにくいウール寝具
では、通常の汚れはどうでしょう。実はウールはとても汚れにくい繊維。その理由は主に次の2つです。

水性汚れと油性汚れ
家庭での汚れには大きく分けて水性汚れと油性の汚れがあります。
ウールの表面は水を弾く撥水性となっています。この物質はエイコサン酸と呼ばれ、フライパンや傘のフッソ系撥水加工ほど強力ではありませんが、人的な加工ではなく天然の仕組みですから、長続きします。

ウールは静電気を起こしにくい
汚れを寄せ付ける原因の一つに、静電気があります。ウールはそもそも沢山の水分を繊維の内側に含み、静電気が起こりにくい構造をしているため、空気中の埃を寄せ付けにくい特性を持っています。
また、ウールは人体と同様プラスに帯電するため(なにせヒトと同じ哺乳類のタンパク質ですから)、人との電位差が少なく、ご利用中も静電気が起こりにくい傾向があります。一方、寝具として一般的な合繊であるアクリルやポリエステルはマイナスに帯電するために、ご利用中に静電気が起こりやすい傾向にあります。

羊毛寝具を洗う
汚れにくい羊毛寝具ですが、やはり洗う事も必要です。汗などの水溶性汚れや皮脂汚れなどは中性洗剤で落とすことが出来ます。
(中性洗剤以外の洗剤、とりわけ酵素入りの洗剤は羊毛に大きなダメージを与えますので、使用しないでください。)

純毛毛布を洗う
昔ながらの方法は、浴槽での足踏み洗いでしたが、今や経験のある人は少ないかも知れません。最近では洗濯機のドラムが大型化したこともあり、洗濯機を使う方法が一般的なようです。
洗濯機を中性洗剤(アクロン、エマール等のウールマーク付きを推奨)を入れたぬるま湯で満たし、つけ置き洗い(または手での押し洗い)する方法です。特に汚れるのは首回りですが、この部分は事前に中性洗剤の原液をつけるとよいでしょう。純毛毛布でもネットに入れておしゃれ着水流や毛布水流で洗う、という話を聞いたことがありますが、ここではお勧めしかねます。

すすぎは流水で丁寧におこないます。大切なのは、羊毛が縮む要素である「熱」と「水分」と「動き」を一度に与えないこと。どれかが欠ければ羊毛は縮みません。

乾燥は、洗濯機で脱水します。その後は「平干し」が原則ですが、マンションのベランダなどでは難しい場合もあると思います。その場合は、次善策として少し傾けて干す「斜め干し」をお勧めします。(真っ直ぐに物干し竿に掛けると、乾きにくい上に、水を含んだ重みで毛布が伸びることもあります。)

洗う頻度は、毛布カバーの有無や、代謝によっても違いますが、1シーズンに1回をベースに汚れ具合によって加減してください。
最近では洗濯機で洗える純毛のウォッシャブル毛布も数多く登場していますので、頻繁に洗いたい方にはそちらのご利用をお勧めします。

ふとん洗濯は業者に依頼
ふとんは自宅で洗うのが難しいため、通常は専門の業者に委託します。シーツを用いるふとんでは、汗などの水性汚れが中心であることから、水洗いがお勧めです。一般的ではありませんが、ご家庭で洗えるウールマークふとんもあります。

 

まとめ
近年、消費者の清潔志向が高まり、洗えることへの要望が高まりつつあります。
アクリルやポリエステルは、水を寄せ付けない疎水性なので、簡単に洗える反面、ヒトからの水分、すなわち汗の処理が下手です。
特に夜間はヒトの体温が下がっていくため必ず汗をかきます。寝具は汗の処理を最優先に考える必要があり、その観点からは羊毛寝具が最適と言えます。
洗う事だけが、清潔への近道ではなく、汚れにくい寝具を使うこと、風を通して清潔に保つことも人類1万年の生活の知恵として、ご活用頂ければと思います。

なお、内容には間違いの無いように万全を期しておりますが、実施に際しては、各自の責任において実施頂きますようお願い致します。

 
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