現在、世界中で飼育されている羊の数は約10億頭、その産毛量 は洗い上げベースで123万トンと、全世界で生産される総ての繊維の2%を占めています(「IWTO Market Information 2006」による)。 哺乳類、偶蹄目、ウシ科に属するこの羊から採取されるウールは、有史以前から今日に至るまで、人類の生活に大きく貢献してきました。この羊の種類は 3,000余種といわれていますが、その中で特に我々とのかかわり合いの大きい主な羊種について、その特徴等を紹介します。

 
メリノ種
●オーストラリア・メリノ(Australian Merino)
●フランス・メリノ(France Merino)
●ニュージーランド・メリノ(New Zealand Merino)
 
その他の羊たち

●ロムニ−(Romney)
●ドライスデール(Drysdaile)
●コリデ−ル(Corriedal)
●ブラックフェース(Blackface)
●ペレンデール(Perendale)
●クープウォース(Coopworth)
●リンコルン(Lincoln)
●チャビオット(Chaviot)
●サウスダウン(Southdown)
●ドーセットダウン(Dorset Down)
●サウスハンプッシャー(South Hampshire)
ボーダーデール(Borderdale)
●サウスサフォーク(South Suffolk)
●ポルウォース(Polwarth)
●ウイルシャー(Wiltshire)
●イングリシュ レスター(English Leicester)
●ポール ドーセット(Poll Derset)
●ハンプシャー(Hampshire)
●サフォーク(Suffolk)
●シロップシャー(Shropshire)
●ブラックフェイスド レスター(Blackfaced Leicester)
●エクスムーア ホーン(Exmoor Horn)
●ティースウォーター(Teeswater)
●スコティッシュ ブラックフェイス(Scottish Blackface)
●ジャコブ(Jacob)
 
獣毛
●モヘア(Mohair)
●カシミヤ(Cashmere)
●キャメル(Camel)
●アルパカ(Alpaca)
●ラマ(Llama)
●ビキューナ(Vicuna)
●グァナコ(Guanaco)
●アンゴラ(Angra)
 


メリノ種
 
sheeo01.jpgAustralian Merino
オーストラリア・メリノ

メリノ(Merino)種は、現在、世界各地に広く分布し、世界で最も優れた品質の羊毛を、最も多く産出している羊種で、羊の代名詞的存在の羊である。
中でも、オーストラリア・メリノは特に優れており、他の国々のメリノ種とはいろいろ違った特性を備えている。スペイン・メリノ(Spanish Merino)を交配に交配を重ね、オーストラリアの気候風土、環境によく適応できるようにした。
あらゆる羊の中で最も白く、最も細く、かつ捲縮が多い。しかも、長くて丈夫で、しなやかで、衣料用に最も適した羊毛を産出する。オーストラリア・メリノは羊の芸術的羊種といえる。現在、オーストラリア・メリノは繊維の太さによって、次の三つのグループに大別されている。

 
ファイン・メリノ(Australian Merino / Fine)
草を探して食べ歩く体力に劣るため、上質の牧草が豊富にある、限られた地方だけで飼育されている。繊維の太さは18〜19ミクロン、繊維長は70〜75mm位で、特に高級細番手使いの梳毛織物、ニットヤーン等に用いられている。
 
ミドル・メリノ(Australian Merino / Medium)
繊維の太さは20〜22ミクロン、平均繊維長はおおむね90mm位で、梳毛織物、超高級毛布等に用いられる。
 
ストロング・メリノ(Australian Merino / Strong)
この羊は比較的厳しい環境にも耐えうる生命力を備えているため、南オーストラリア、西オーストラリアなどで広く飼われている。繊維の太さは23〜25ミクロン、平均繊維長は100mm位で、梳毛織物、高級毛布等に用いられる。
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France Merino
フランス・メリノ

比較的バルキー性があるため、我が国ではふとんの原料として多く使われている。
1852年の統計では、フランスには3,300万頭の羊がいたが、その後、農作物の増産、飼牛への転換、戦争などで減少を続け、1995年には1,000万頭位になった。フランス・メリノは品質の均一性に乏しく、夾雑物の混入が多く、したがって、歩留まりが低い。これは、冬期に小屋に入れて飼育することが多いので、敷藁等の混入が多いためである。メリノタイプの羊毛はフランス羊毛のうち、15〜20%程度で、これも小規模の飼育農家が全国に分散しているため、品質が多種多様で、一件あたりの数量が非常に少ない。したがって、均一性を重視する紡績用には全く不向き。比較的低廉なため、ふとん用の原料として、我が国に多く輸入されているが、統計数値を見ると、輸入量がフランス・メリノ羊毛の生産量を上回っているので、他の羊種、あるいは他国の羊毛がかなり混入されているものと推察される。
ふとんの原料として非常に良いとされているものは、フランス北西部のラムブーイエ牧場で品種改良された「ラムブイエ・メリノ種(Rambouillet Merino)」である。この羊は、メリノ本来の毛質を持つ以外に、ダウン種以上のバルキー性と耐久性を持っているため、ふとんの原料として最適種といわれている。しかし、ごく限られた地域でしか産出されないため、量が非常に少なく、幻のウールといわれている。

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New Zealand Merino
ニュージーランド・メリノ

比較的雨が少なく、牧草に恵まれている南島のカンタベリー、オタゴ、ネルソンの丘陵地帯で広く飼われているが、産毛量はニュージーランドウール全体の5%程度と、その量は余り多くない。現在ニュージーランドで飼育されているメリノは、長くて細い脚を持った軽量のメリノが多い。他の羊に比べて成長が遅いこと、出産率が低いこと、雄のみならず雌でも1割内外は角をもっているなどの特徴を持っている。 繊度(繊維の太さ)は19〜24ミクロン程度である。
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