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テキスタイル・イノベーション

シームレスニットの進化


その生来の特質によってシームレスニットに最適なウールは、ワークアウト ウェアに快適さと弾力性を与えます。

消費者が常に新しいものを求めていることを認識し、ブランド、メーカー、小売業者は技術を急速に開発し、素晴らしく、そして新しいものを製造できる体制を整えています。イノベーションは新しい機械や考え方、素材や製品まで、様々な形で現れます。アパレル業界では、サプライチェーン全体が協力して先進的なデザインを製作しています。シームレスなニットウェアは勿論新しいものではありません。シームレスな靴下や下着は数十年前から存在しています。しかし、技術と繊維が高度化するにつれて、製品の構造も進歩します。メリノウール製の製品では特にそうです。

シームレス製品の技術はニッティング技術の中でも究極の分野で、カール・メイヤー、サントーニ、島精機製作所、ストールの4社が業界を先導しています。従来ウールのベースレイヤーはカットソー製品であるためにバラエティーに限りがありました。しかし現在では、シームレスな横編み技術が素肌に直接つけるベースレイヤーだけでなく、ミドルレイヤーやアウターレイヤー製品にも広範囲に使用されています。シームレスウェアのユニークなところは、一枚の織物の中にジャージーニットとリブニットなどの違ったパターンを違った色で組み合わせることができる点です。圧縮や通気性などの特徴を一つの構造内に組み込んだ製品を設計することにより、より多様性が広がり快適さも増します。

世界の一流スポーツブランドは、特にランニングやサイクリング、スキーなどのための高機能スポーツウェアにおけるシームレスニットの重要性を熟知しており、補強部分となるニット構造や圧縮を施すことでプロテクション効果を与えています。

「身体にぴったりとフィットする構造など、他のニッティング技術では不可能な多くのことをシームレスは可能にします」 トーマス・モウ - ORTOVOX

「シームレスウェアはスポーツウェア分野の一部として何十年も存在してきましたが、メリノウールから高機能ポリエステルにいたるあらゆる糸に大きな進歩があった近年は特に、丸編み技術の進化と相まって人気が高まりました」とアディダスのランニングアパレル部門シニアディレクター、クレイグ・バンデローフは説明します。「縫い目がチクチクすることなく身体の適所に性能が配され、アスリートを涼しく、または温かく保ち、臭いまで防ぐ製品を消費者に提供できるようになりました。さらに、3−4種類の織物を裁断して縫い合わせる替わりに糸染めをしたり糸の性能を適所に配置できるので、 縫製工程だと起きてしまう無駄を削減するとともに、機能的なビジュアルやスタイルの向上が実現されます。これは究極的には、アスリートが1つ上のレベルのパフォーマンスや新しいレベルのスタイルを持った快適さを手に入れることができるということです。そのようなものを提供できる製品はどんなものでも人気が出ます」

近年、アクティブウェア市場におけるウールの理解と評価が急速に向上しています。その結果ウールは現在、シームレスに関して合成繊維の強敵と見られるようになっています。そしてウールを多用した高機能アパレルが店舗で人気となっています。「エンドユーザーのためにより良い身体環境を実現することが当社の目的です。私たちはシームレスのイノベーションでそれを実現しています。コンフォートマッピングに基づいたニッティング技術と極細メリノウールを使用して、高機能で最先端のテクニカルウェアを製作しています」とORTOVOX(オルトボックス)のマウンテンウェア部長、トーマス・モウは語ります。

「身体にぴったりとフィットする構造など、他のニッティング技術では不可能な多くのことをシームレス技術は可能にします。シームレスなら、コンフォートマッピングを利用でき、パフォーマンスを最適化することが可能になります。つまり開放的なメッシュ構造や保温ゾーンなど身体に様々なゾーンを作ることができ、暖かく保ったり通気を促したりできます。すべて快適な身体環境を整えることが目的です」

アクティブウェア市場での最近のウール人気をウール業界の成長促進につなげるために、ザ・ウールマーク・カンパニーはサプライチェーンに関わるすべての業者を結び、そのパートナーと密に連携している。サプライチェーン上のあらゆる企業もこの新しい成長分野の重要性を認識しており、新しいウールやウール・リッチブレンドの糸が、特にこの種のシームレスニット用に開発されており、コアスピニングやラップスパンスピニングと呼ばれる紡績技術によってより強度のあるものになっています。「現在市場にはサプライチェーン全体により多くの選択肢があります」とザ・ウールマーク・カンパニーの工程革新・教育普及部門のゼネラルマネージャー、ジュリー・デイビスは言います。「我々は糸のサプライヤー、機械製造業者、製品製造業者やブランドと連携するとともに、彼らを相互に結びつけて消費者のテクニカルウェアの需要増加に応えています。紡績業者はこれまで以上に新しい糸の開発に力を注ぐようになっていますし、さらに重要な点としてはスポーツブランドと直接協力し合うようになっています。この傾向はこの分野が成長分野であることを反映しています」

リサ・グリプラス(Lisa Griplas) はメディア&コミュニケーション業界で10年以上の経験を持つ。ジャーナリストだったリサは新聞社で数年間働いた後、ザ・ウールマーク・カンパニーに移り、グローバルエディターとして今日に至る。